ヘビの種類 

 ヘビの仲間で最も原始的なのは、メクラヘビ下目に分類される地中生活の小型動物です。中生代後期にトカゲ類から分化した初期のヘビもおそらく同様の地中生活者だった
メクラヘビの一種
のでしょう。ただし、彼らが原始的なヘビの特徴をよくとどめているからと言って、中生代の初期型とまったく変わらないというわけではありませんし、一部の専門家が主張するように、最初のヘビが水棲動物だった可能性がないわけでもありません。ただ、化石動物としての水棲ヘビはほとんど知られておらず、現生のヘビを見ても水棲動物はより進化的な仲間から生じているので、筆者としてはヘビの水中生活への移行は、ヘビがあらゆる環境へ適応放散した結果のひとつであり、水棲生活がヘビの出発点とは考えにくいと思うわけです。

 メクラヘビ下目から分化した最初の真蛇下目はムカシベビ上科としてまとめられています。原始的なムカシヘビの仲間は、地中生活者あるいは水棲動物ですが、やがて地味な地中生活から地上へ踊り出たパイオニアたちが誕生し、爆発的な発展を遂げました。ボアやニシキヘビの仲間は、ムカシベビ上科の名称とは裏腹に、進化的な動物を多産し現在もひじょうに大きな繁栄を築いています。中には全長10m級の大蛇も存在します。
 トカゲから分化した初期型のヘビたちは、四肢の消失と共に視覚と聴覚も退化して行き、目にはマブタがなく透明な鱗(うろこ)で覆われ、外耳もなくなりました。代わりに嗅覚は大変よく発達しました。ヘビは口を閉じたままで長い舌を出し、これを昆虫の触角のように使いまわすが、この舌は味覚や触覚を感じ取るほか、精度の高い嗅覚器としても機能します。ヘビの祖先であるとされるオオトカゲ科の動物の多くも同様の舌を持っており、ヘビはそれをよく受け継いでいます。

 ムカシベビ上科のヘビたちは、地上生活から樹上生活へと生活圏を拡げて行くうちに視力を取り戻し、多くの種が発達した大きな目を備えるようになりました。ただマブタは消失したままで、虹彩が開閉して目に入る光量を調節しています。この構造はヤモリの目(やはりマブタがない)にも見ることができます。ヘビの多くは夜行性で視力は良くないと言われていますが、ムカシベビ上科の現生種の多くは昼間でも狩りをします。
ピット器官
 聴力については外耳を持つヘビがいないので、発達していないようですが、環境を把握する感覚情報として嗅覚と視覚で充分であるなら、音情報はむしろ無用なのかも知れません。
 ヘビにはピット器官という感覚器を発達させたものがいます。これは熱情報を捉える器官で、熱分布で環境を把握するのです。体温を有する哺乳動物は 極めて効果的にこのピットレーダーで捕捉することができ、恒温動物を捕食するボアや




ヤスリヘビ科




パイプヘビ科




サンビームヘビ科




ニシキヘビ科




ニシキヘビ科




ニシキヘビ科




ボア科




ボア科




ボア科
ニシキヘビの仲間はみんなこれを持っています。
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ムカシヘビ上科(ボア上科)
 ヤスリヘビ科
 ミジカオヘビ科
 パイプヘビ科
 サンゴパイプヘビ科
 サンビームヘビ科
 ミミズサンゴヘビ科
 ニシキヘビ科
 ボア科
 ドワーフボア科
 現生のムカシベビ上科
には、次のような仲間が存在します。
   ヤスリヘビ科最も古いタイプのムカシヘビの仲間で、水棲。鱗が重なり合うことなく独立して突起状になり、このためヤスリのようにザラザラしている。魚類を捕食する時に獲物に巻きつくと、ヤスリ状の肌が獲物をしっかりとホールドするようになっている。
 ミジカオヘビ科地中や水辺に棲む短い尾を持った原始的なヘビ。魚類やミミズ、小型爬虫類等を捕食する。
 パイプヘビ科:原始的なヘビの仲間で、やや偏平な体形をしている。尾は短く一見すると頭部と見間違える。ミジカオヘビと近縁の仲間。変温動物食
 サンビームヘビ科:頭部が偏平でくさび形になり地中に潜りやすくなっている。鱗がひじょうになめらかで太陽光に当たると虹色に輝く。
 ニシキヘビ科全長70cmほどの小型種から10m近くになる大蛇まで多種多様な動物を含むひじょうに大きなグループで、縦長の瞳とよく発達したピット器官を持ち、優れたハンターとしてよく繁栄している。総輩出腔の両脇に後足の痕跡を残すものもいる。
 ボア科:ニシキヘビ科とは近縁のグループで、ニシキヘビ亜科としてボア科に編入する考え方もある。ニシキヘビ科の仲間が、アフリカやオーストラリア、インドネシア、ユーラシア南部に生息するのに対して、ボア科はアメリカ大陸に棲んでいる。ニシキヘビの仲間が卵生であるのに対し、ボアの仲間は胎生。形態的ににも、ニシキヘビの仲間のピット器官が鱗がへこんで形成されるのに対して、ボアのそれは鱗と鱗の間に形成されるといった違いがある。
 ドワーフボア科:ボアの仲間とは近縁で、ボア科の中の1亜科として扱われることもある。全長50cmていどと大変小さい。





コブラ科




コブラ科




クサリヘビ科




クサリヘビ科




クサリヘビ科




ナミヘビ科




ナミヘビ科




ナミヘビ科




ナミヘビ科

 ヘビの仲間で最も新しく登場したのがヘビ上科としてまとめられるグループで、種類もたいへん多く、形態や生態も様々です。ボアやニシキヘビの仲間ほどの大型種は見られず、大型化よりも多様性によって繁栄を築いています。この仲間はまた実に多くの毒ヘビを含みます。ハブやマムシで知られるクサリヘビ科や、コブラ科、モールバイパー科の仲間はすべてが有毒動物で、ナミヘビ科の中にも毒を持つものがけっこういます。ヘビの仲間全体の20%以上が毒ヘビで、ヘビ上科の進化は有毒動物の進化の歴史でもあると言えるほどです。毒は、高い殺傷力で獲物の動きを奪うほか、護身用の武器としても極めて有効です。毒性はハンターとして最も進化的な形質であると言えるでしょう。

ヘビ上科
 モールバイパー科00
 コブラ科
 クサリヘビ科
 ナミヘビ科
 現生のヘビ上科には、次のような仲間が存在します。
 モールバイパー科:アフリカ、アラビアに棲む小型のヘビ。尾部は硬く尖っておりこれで土を掘ると言われている。十数種類の仲間を含みいずれも有毒動物。
 コブラ科:全長30cmていどの小型種から5mを超える大型種までいるが、いずれも有毒動物。サンゴヘビの仲間のように小型で小さな口器を持つもの、ウミヘビのように水棲生活に適応したもの、タイガースネークやコブラのように大きな頭部と大きな口を有し、俊敏でひじょうに危険な動物など、多種多様な仲間が存在する。
 クサリヘビ科:太くて短い形態の地上性の仲間が多いが、樹上性のものもいる。鱗がゴツゴツした感じのものが多い。ほとんどの種が胎生。ハブやマムシの仲間、ガラガラヘビ、アフリカのバイパー類など、いずれも獰猛な有毒動物である。
 ナミヘビ科:ひじょうに多様化の進んだ仲間で、ヘビのうち半分以上の種がこれに含まれる。細長い体形のものが多く、多くの樹上性の種が存在するほか、地上性や水棲のものもいる。食性も様々で、変温動物食のものや恒温動物食のもの、魚食性のもの、昆虫やミミズを食べるもの、卵食いに特化したもの、カタツムリを専門に食べるものまでいる。主に卵生。毒性のないものが多いが、中には後牙類(こうがるい)といって奥歯に毒を持つものがいる。

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