コーンスネーク
Elaphe guttata ナミヘビ科


  コーンスネーク
 北米大陸を代表するたいへん有名なヘビです。ペットショップでも超人気者です。爬虫類を扱うお店で本種を置いてないお店はありません。もしあれば、そんなお店はとっとと退出するに限ります。日本に生息するアオダイショウやシマヘビと同じナメラ属に分類され、生態や形態もよく似ています。日本のヘビと同様に冬は冬眠し、春から繁殖期に入ります。コーンスネークが飼育下から脱走した場合、餌さえ確保できれば日本に帰化する可能性は充分に考えられるので、飼育者は逃がさないように注意が必要です。ただ、今のところ本種の帰化については聞いたことがありません。日本でも性差年齢差を問わずじつに多くの人が飼育し、せっせと繁殖させているにもかかわらず、何種類かのカメや魚類のような帰化の事例がないのは、ヘビを飼う飼育者の責任感の強さの表れでしょうか。

  アネリスリスティック
 アオダイショウやシマヘビと本種を飼育下で比較してみますと、動きがかなりちがっていて、本種はひじょうにのんびりしていて取り扱いが楽です。アオダイショウやシマヘビの俊敏さは、ヘビ飼育の経験がない人にとってはまったく手がつけられません。とにかく速いです。この動きの差がコーンスネークの野生化を妨げている可能性があると思われます。のんびりした動作では餌を捕獲するのも難しいし、天敵から逃れるのも大変でしょう。あるいは、餌となる野生動物は必ずといってよいほど、寄生虫を宿しているので、それによってかなりのダメージを受けるでしょう。それと脱走した先が都会だった場合、餌や飲み水を確保するのも困難でしょう。

  アメラニスティック(アルビノ)
 コーンスネークがあんなにのんびりしているのはどうしたことでしょう。市販されている個体のほとんどが人工環境で累代飼育されて来た、いわゆるCB(キャプティブ・ブリーディング)、つまり養殖個体です。何世代にも渡って人間に飼われているうちに、あののんびりスタイルが身に付いたのでしょうか。人工環境で過ごすには人が取り扱いやすい方が有利ですから。これも一種の人為淘汰の結果と言えるのでしょうか。
 コーンスネークの他にもキングスネークやラットスネークの中にも、のんびりスタイルのヘビがいます。生後間もない頃はすばしっこく人間を怖がるものの、比較的早期に扱いやすいペットになってくれる種も少なくありません。もちろん、いつまで経っても獰猛なままのものもたくさんいるわけですが、それらは人間に飼われた歴史が浅いということなのでしょうか。よく解りません。ヘビの人慣れの程度と人為淘汰の関係についてはほとんど情報がありません。そうした情報や意見をお持ちの方は、ぜひ教えてください。
 あるヘビ飼育初心者に、コーンスネークはのんびりしていていいと教えたところ、さっそくショップで手に入れたその人が、全然のんびりじゃない、餌を食べる時なんか目にもとまらぬ早業で飛びついた、と半泣きで訴え、筆者をウソつき呼ばわりしました。確かに充分に人馴れしていない幼蛇は、けっこう逃げ足が速いですし、餌に飛びつく動きはなかなか野性味があります。これなら野山に逃がしても無事に生きて行けるかもと思えるくらい。ああ、逃がしちゃいけませんぜ。それでもアオダイショウやシマヘビの素早さと比べたら、やっぱのんびりとしか言いようがありません。で、筆者をウソつき呼ばわりしてから数ヶ月後、その人もすっかりヘビに慣れ、彼よりもさらに初心者に対して、コーンスネークはのんびりしていていいと言っているのを目撃した筆者の心情はチト複雑でした。

  ハイポメラニスティック
 コーンスネークが扱いやすいヘビだといっても、生後間もない頃や飼育し始めたばかりの個体は、やはりかなり反抗的ですし、ケージからさかんに脱走しようとします。油断大敵というわけです。しかし充分にかまってやりながら飼育していると、数週間でよく馴れて人を見ると寄ってくるまでになります。人の手から餌をもらい、食事中はケージから出していても逃げてゆかないほどになります。
 筆者は、コーンスネークに関しては雌雄のペアを幼蛇のうちから1つのケージで飼い続けるという蛇道なことをやっていますが、給餌のときはケージから出します。ケージ内で給餌すると先にマウスを飲み込んだ方がまだ食事中の方のマウスに食い付いて、餌の奪い合いが始まり難儀なことになります。それを防ぐためにヘビたちをケージの外に出して見張っておくわけですが、食事中はその場から動かないので、それほど注意を払うこともなく、その間に飲み水の交換や糞の掃除なんかをします。

  スノー
 ある時、注意を払わなさすぎて、食事を終えたコーンスネークが姿をくらましてしまったことがありました。そして翌日、自分のケージの上でとぐろを巻いているのを発見しました。ケージの中に戻ろうとしたけれど、フタの開け方が判らなかったようですね。ケージは他にもたくさんあるのに、ちゃんと自分のケージの上で待ってました。それほど飼育者と飼育環境によく馴化するヘビです。すべてのヘビがこうだと飼育は楽なのですが、この話しを他人にすると、またぞろウソつき呼ばわりされました、残念なことに。
 コーンスネーク以外にもボールパイソンが2度ばかり脱走して自分のケージの上に舞い戻ってます、筆者の経験では。その2度は別々の個体です。ただしこれは他ではあまり聞かない話しなので、うちで起こった事例のヘビがよほどお利口さんだったのでしょう。ヘビが脱走した場合、基本的にはそれが永久の別れであると考えてください。うちの場合はすべてのケージが鍵のかかる温室の中ですから、そこからさらに外へ逃げて行く可能性は低いのですが、そうでない場合は、脱走したヘビは野に放たれる結果となり、生き物の飼育者が決してやってはならない飼育動物の野生放逐に手を染めることになります。

  ラベンダー
 コーンスネークの世話は、基本的には給餌と飲み水の交換とケージ内の掃除です。給餌は幼蛇のうち(生後半年から1年)は週に2〜3回、成蛇になってからはは週に1回行ないます。ひじょうにものぐさな飼い方としては、1週間から10日に1度、給餌と水かえを行ない、半年に1度、掃除と称して床材を交換しケージを水洗いする、それだけで充分です。ヘビを触りまくりたい人は、いつでも好きな時にご自身の都合に合わせてヘビと戯れれば良いし、飼いたいけど世話は面倒だ、という人は1週間から10日おきに様子を見てやればそれでもかまいません。世話が嫌いなら飼うなよって話しですが、哺乳類や鳥類以外の動物の飼育では、重要なのは個体をかまう事よりも飼育環境を正しく整え維持することです。動物個体そのものよりも、飼育環境を飼う、魚なら水を、陸棲動物なら陸と空気を飼う、それがなによりも重要なのです。かまってやらないと孤独死してしまうウサギなんかを飼っている人とこの議論をしても始まらないし、ニシキヘビを抱いて寝る人の飼い方を否定するつもりもありません。爬虫類の多くが飼い主に付けられた自分の名前を覚えるとも聞いた事があります。だからと言って、すべての爬虫類にそうした接し方が通用するわけではないし、爬虫類というものは基本的には孤高の生き物であるという事を忘れないでほしいと思います。
 人間は、絶妙なテクニックで他の動物との異種間コミュニケーションを実現し、奇妙な共存関係を構築してしまいますが、それが人間の都合であることも事実です。動物の側からは人間との共生を求めませんし、保護も望みません。ただ、動植物を育てるというのは、人類にとってひじょうに長い歴史のある文化ですし、そのことで人は多くを学びました。学術的興味を除いても、癒しであるとか情操効果であるとかメリットは小さくありません。少しでも余裕があるなら、生き物を飼ってほしいです。映画やゲームも感動的ですが、動物の飼育はさらなる意外性と驚きに満ちていますし、いろんなことを押せてくれたり、気づかせてくれたりします。
 多くの飼育者は、飼育動物を充分にかまってやることで動物と良好な関係を築き、健康で長生きさせていますし、筆者のような放任主義でも同じ結果が得られています。うちのコーンスネークはどの子もベタ馴れですし、前述したように自分のケージに戻ってきたヘビも3例ほどあります。ウソじゃないよ。要は、どのようなスタイルで飼育するにしても、飼育者が動物本来の習性を把握し、押さえるべきポイントを知っていることが大切なんでしょうね。

  バター
 馴れないヘビをハンドリングに慣らす良い方法は、食事中のヘビにハンドリングを試みることから始めます。その時、ヘビがマウスを半分くらい飲み込んでいるのを確認し、ヘビを驚かさないようそっと触れることが重要です。食事中や食後すぐのヘビに触ってはいけないと、専門家はよく言いますし専門書にもそう書いてありますが、食事に夢中になっている時が、じつは人に馴れていないヘビの触り時だったりします。ただ、あくまでもそっと優しくできるだけ刺激しないように行なってください。また、いつまで経っても人になれない種などは、とりあえず餌を与えて食事中にだけ触る、そんな手を筆者はよく使います。こんなこと書くと、また専門家に怒られそうですが、このテクニックは便利で有効なのでこれからも使います。


  ストライプ
●具体的な飼い方
 コーンスネークは最も飼育しやすいヘビです。市販されている個体はたいてい幼蛇で、胴回りが人の大人の小指かそれ以下くらいですが、これだと20cmくらいのプラケースで飼育できます。ただ、1年もするとずいぶん大きくなるので、将来を見越してあらかじめ大きなケースで飼うのも良いでしょう。43cm(横)×35cm(縦)×18cm(高)のフラットタイプのプラケースを筆者はよく使いますが、これだとコーンスネークの場合は生涯飼うことができます。ただ、ヘビはケージが広ければ広いほど良いという考え方は通用しないので、生後間もなく人に馴れていない個体には、小さな容器を用意してください。そして充分に人に馴れたら、上記のサイズのケージに入れてよいです。コーンスネークは大きくなっても胴回りが直径5cmくらい、全長は2m以内で、その程度のヘビはこのケースで充分です。筆者のように雌雄をペアで飼うといった場合にはこの倍の底面積があるくらいの容器が必要です。どんなケージを用意するにしても、ヘビを飼ううえで絶対に忘れてならないのが、彼らが脱走名人だということ。豪華なガラスケージの中には、前面ガラスがスライド式に開閉するようになっているものが多いですが、幼蛇はスライドガラスの数ミリのすき間からやすやすと脱走します。ショップでケージを求める際には、店員がいやがるくらい脱走の危険性について念を押して確認してください。

  モトレー
 ケースの底に床材を浅く敷き、とぐろを巻いたヘビがすっぽり入れる程度のタッパーを置き、それを水で満たします。コーンスネークの基本的な飼育セットは以上です。床材をあまり厚く敷くと、それを引っかき回して水入れを床材で埋めてしまいます。なにが楽しくてそうするのか、ヘビはしばしば水入れを床材で埋めて台無しにします。ムカつく。なので床材は薄く敷きましょう。神経質なヘビの場合はシェルターを用意しますが、コーンスネークの場合はべつになくても大丈夫です。幼蛇の間は床材の中に潜り込んで機嫌よくしています。ただし、飼育環境が暖房等でひじょうに乾燥する場合には、とくに幼蛇ではウェットシェルターを用意すると良いでしょう。脱皮不全が防げます。また、繁殖を狙う場合にも産卵床としてウェットシェルターが必要です。卵はひじょうに乾燥に弱いですから。
 幼蛇の飼育を始めるに際して、もっとも重要なことは水の場所を覚えさせることです。飲み水を見つけられなくて衰弱してしまったり、死に至るケースは少なくありません。水入れはケージの壁面にくっつけて置くようにします。ヘビはケージの壁面に沿ってケージ内を探索するので、その際に水入れを見つけるでしょう。タッパーのフタの一部にヘビが通れるくらいの穴を開けた水入れを見たことがありますが、穴や隙間にもぐり込む習性を利用して飲み水を見つけさせる有効なアイテムかもしれませんね。また、入手したばかりのヘビの頭を強引に水入れに突っ込んで、飲み水の場所を教える飼育者もいるらしいです。生き物の飼育にとって飲み水の確保は必要不可欠ですが、爬虫類は飼育環境では意外に飲み水を見つけるのが下手なのです。

  アズティック
 日常のメンテナンスですが、幼蛇のうちは充分にかまってあげましょう。給餌回数も1週間から10日に2回、幼蛇のうちに充分に給餌しておかないと、大きく成長しません。小さくてかまわないし繁殖も狙わないという方は、給餌を少なくしてもいいです。成長不良と健康はあまり関係がないように思います。ただ、問題は冬場です。小さい個体は冬季に温度が充分でないと消化不良を来したりしやすいです。幼蛇や小さな個体に対しては充分な加温とウエットシェルターの設置が必要になります。
 ハンドリングも大切です。ハンドリングをせずに育てると、成長しても触られるのをいやがって扱いが難しい個体になることも少なくありません。無理矢理つかまえようとすると、コーンとは思えない素早さを見せたり、噛みついてきたりすることすらあります。

  オケッティ
 コーンスネークは冬眠の習性がありますが、飼育下では加温して冬眠させないという飼い方が安全です。筆者は繁殖を狙う場合でも冬眠させません。専門書に準じて冬眠をさせる場合は、ケージを温度変化が少なく暗い場所に置き、新鮮な飲み水を切らさないようにしましょう。シェルターはドライタイプのものを用意します。飼育温度15℃が冬眠の目安ですが、真冬に温度が10℃近くまで上昇すると動き出して水を飲むことがあります。水枯れで冬場のうちに死去することは少なくありません。また、生後最初の冬は冬眠させない方が安全です。

  ジャングルコーン
 加温して冬眠させない場合でも、冬場は給餌回数を少なくしましょう。ヘビは長期の絶食よりも消化不良の方がダメージが大きく、とくに幼蛇では消化不良で死んでしまうことが少なくありません。熱帯魚等とちがって地上棲動物の温度管理はたいへん難しいものです。入口を小さくした。ウェットシェルターの真下にフィルムヒーターを敷いたりするとシェルター内は必要温度を確保しやすいです。その場合でもケージの上下左右背を発泡スチロールや断熱材で覆うなどしてケージ全体の温度をあるていど確保してやる必要があります。ただ、空気は流通するように。ケージをガラス温室などに収容し、温室全体を加温するような方法がいちばん理想的なんですけどね。

  クリームシクル
 水換えは毎日行なうのが理想なのですが、筆者は給餌の時に一緒に行なっています。ケージの掃除は可能であればまめに行なってください。糞や脱皮した脱け殻を取り除き、床材が古くなったりケージの側面が汚れてきたりしたら床材の交換とケージの丸洗いをしましょう。筆者はものぐさなので、ケージの掃除なんて半年に1回くらいしかしませんけど。これは悪い例なので真似しなくていいです。糞も増えれば多少は臭いますし、不衛生がもとでヘビにダニがわくこともたまにあります。
 コーンスネークに関しては、充分にかまってやってもいいし、筆者のように1週間か10日に1回しか様子を見もせずほったらかしでも、飼育者の都合に合わせて自由できるとは、上述したとおりです。また、ふだん充分にかまっていながら旅行等で急に長期間ほったらかすことになった、というようなケースでも特に問題はありません。帰宅してケージを覗いたら、何事もなかったかのような変わらぬ姿を見ることができるでしょう。飼育者に優しいペットですね。


  コーンスネークの卵
 ●繁殖について
 コーンスネークの繁殖はそれほど難しくはありません。雌雄を交配させて産卵に至るまでは、それこそ放っておいても実現できるでしょう。筆者のように雌雄を常時同居させているような飼い方(専門家が顔をしかめそうですね)だと、思わぬ季節(秋口とか)に産卵するようなこともあります。
 雌雄を常時一緒にしていると、オスがしょっちゅう交尾をしかけるので、メスの負担が大きくなると思われますが、筆者の経験ではこのヘビに関しては、それがメスの負担やストレスになるようなことはあまりないようです。オスと常時同居しているメスが健康を害したり拒食に陥ったりするような例は、うちでは皆無です。

  孵化
 ただ、メスが充分大きく育たなかった場合は、同居させるべきではないでしょう。筆者は未成熟のうちのけっこう早い段階から雌雄を同居させますが、冬を過ぎて春になるまでにメスが充分大きくならなかった場合には同居を中止します。成長が充分でないメスの妊娠は負担が大きすぎると思われるからです。
 ヘビの卵は、ニワトリのそれのように硬質の殻で覆われていません。乾燥には弱いので、ウェットシェルターと同じ環境で管理します。メスのケージには代わりのウェットシェルターを入れておきましょう。筆者はウェットシェルターごとケージから取り出して、親と分けて管理するという方法をよくとります。充分に加湿した水苔の中で常温管理すると、50〜60日ほどで孵化を迎えます。孵化直前の卵はパンパンに膨らんでいます。刃物で切ったような亀裂が観察できるかもしれません。ベテランのブリーダーは、今まさに生まれるという卵を見分けて、ハサミで卵をジョキジョキ切って、幼蛇が出やすいようにします。幼蛇は一斉に孵化するので、1つの卵に孵化の兆候を見つけると、同時に産卵された卵はすべて切り開いてしまいます。もちろんそんなことしなくても根気よく待っていれば、幼蛇は自力で孵化します。孵化の瞬間を見たければ、早朝から待ち構えていると、孵化に遭遇する確立が高いと思います、筆者の経験では。

  孵化直後の幼蛇
 生まれたばかりのヘビの赤ちゃんは、やっぱ可愛いですね。すごく小さいのにおとなと同じような態度をとるところがまた可愛い。まったく人に馴れていませんから、捕まえようとすると逃げ回ります。なかなか俊敏なので、あせって握りつぶさないよう、落ち着いて扱いましょう。俊敏と言えどもまったく手に負えないほどではないので、積極的に触ってやりましょう。そのうち馴れてきます。コーンスネークの場合、怯えて咬みついてくることも少ないので、恐れずに触りましょう。万一咬まれても、こんなに小さいヘビでは痛くないです。
 幼蛇たちは、管理しやすいように小さなケースに1頭ずつ単独飼育し、最初は飲み水だけを与えます。孵化直後の幼蛇は15cmていどのプラケースなどが理想的です。昆虫の飼育に用いるようなプラケースは理想的なケージになりますが、持ち手が付いている部分が、脱走可能な隙間になっているので、ガムテープでふさぐ等の工夫が必要ですね。あまり大きな入れ物で飼うと、飲み水を見つけられません。それと、ウェットシェルターもあった方がよいです。従って、1頭1頭の幼蛇に対して、ミニサイズの飼育セットを用意しましょう。
 数日経って、最初の脱皮を終えたら、最初の給餌を行ないます。ピンクマウスのSをハサミで半分に切ったくらいが適当なサイズですね。そして糞を確認したら次の給餌を行ないます。前述しましたが、幼蛇のうちはこまめに(数日おきに)給餌して、早く成長するようにします。それと、最初の冬は冬眠させず、加温して給餌し続ける方が良いです。発育の早い個体は、次の春には繁殖可能になります。でも無理はさせず、夏以降かその次の春以降に繁殖に使った方が良いです。野生では多くの場合2年目の春から繁殖に加わるそうです。冬眠期もありますし飼育下より発育が遅れるのでしょうね。
 冬場の加温と給餌には注意が必要です。ウエットシェルター内の温度が20℃以上できれば25℃くらいを確保できなければ給餌しない方が良いです。とくに幼蛇の場合は、消化不良は生死にかかわります。充分な温度を確保できない場合、1〜2ヶ月給餌を止めても、飲み水さえ欠かさなければとくに問題はありません。温度が下がると代謝が低下して痩せにくくなります。
 また、餌のサイズは成長と共に大きくしてやりますが、よく言われるのが胴回りのいちばん太いところと同じくらいの胴回りのマウスです。そろそろサイズアップしようかどうしようか迷った場合は、これまでのサイズのものを2匹与えるのも良いでしょう。コーンスネークは給餌したばかりでもすぐに食べてくれます。とくに充分に人に馴れている場合は。
 また、脱皮前の体が白濁している時は、食いつこうとしないこともあります。脱皮前は餌を与えない方がよいとも聞きますが、筆者はコーンスネークについてはかまわず与えています。食いつかなければ置き餌にし、次の日にそのまま残っていたら取り除いて捨てます。
 健康で飼育環境によく馴化しているヘビは、あまり動き回りません。ケージの上の方を鼻先で探って、盛んに動き回っている場合は、環境に馴れていないと考えられます。充分に成長したヘビは、環境が適切で飼育温度も理想的な場合は、何日も動かないことがあるほどです。体の大きなヘビほど温度変化にも強いので動かなくなります。

 水浴中のキャンディケイン
 ヘビの活動は、索餌、温度への適応、脱皮行動、排泄行動くらいのもので、余計な活動はあまりしません。索餌も積極的ではなく、飼育下では人の気配がすると条件反射的に、餌を当てにして寄ってきたりするていどです。温度変化に対しては、ケージ内の温度勾配に応じて場所を移動したり、暑すぎれば水の中に浸かったりします。また排泄行動をしばしば水の中で行ないますので、飲み水はなるべくこまめに変える方が良いですね。
 あと、脱皮の頻度が多すぎるのは要注意です。ヘビは環境に合わないと脱皮を繰り返すことがあります。また、乾燥しすぎた環境では脱皮不全を来します。そうした場合には、ケージの清掃を行ない、床材を別のものに交換します。脱皮不全の場合にはウェットシェルターを入れてやります。冬場はウエットシェルターの下にフィルムヒーターを敷きます。
 筆者は、ヘビの飼育に照明をあまり用いませんが、美しくレイアウトするには、照明はお勧めです。熱帯魚用の照明器具がそのまま使用できますし、爬虫類用の弱UVの球と管と交換しても良いでしょう。ヘビの飼育には紫外線は必要ありませんが、弱い紫外線を発する照明はデメリットにはなりません。照明を使用する場合は、夜間は必ず消灯します。消灯し忘れのないようタイマーを使うとよいですね。
 また、コーンスネークには小枝を用いたレイアウトも有効です。高さのあるケージにしっかりとした小枝を入れてやると、ヘビが上手に木登りをする様が見られます。ただし、レイアウトを複雑にしすぎると、掃除等のメンテナンスがめんどうになりますけどね。

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